なぜ今、福島市なのか!? 7年ぶりに新しい結婚式場がオープン 福島県の潜在的なブライダル需要に着目

2024年9月、福島県福島市に結婚式場がオープンした。手掛けたのが、東京に本社を構える大手ブライダル企業「ノバレーゼ」だ。いま、福島に進出した理由に迫った。

<2023年にはコロナ禍前の水準に>
ブライダル業界は、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けた業界の一つだ。結婚を機に何らかのウエディングイベントを行った割合は、2020年までは約8割だったが、新型コロナ感染拡大により2021年には約7割と1割近く減少した。しかし、直近の2023年には感染拡大前の水準まで回復してきた。

<理由の一つに 競合施設が少ない>
福島市に進出する理由の一つが、市内には競合施設が少なく、新しい式場のオープンとなると7年ぶりということ。担当者が「十分に収益を見込める」と自信をのぞかせた新しい式場は“福島ならでは”が詰まっていた。

<福島ならではな式場>
JR福島駅から車で7分、福島市野田町に9月7日にオープンした「アマンダンアイル」。チャペルからは、吾妻小富士が一望できる。また、サクラの名所「荒川桜づつみ公園」も目の前に広がり、福島の豊かな四季を実感できる空間に。さらに、披露宴会場は日本庭園とつながり、天井高は5.4メートルと開放的な設計になっている。

<和モダンで差別化>
建物のコンセプトは“和モダン”で、「和装」と「洋装」どちらでも合わせやすい雰囲気になっているため、衣装選択の幅なども広がり競合施設との差別化にもつながっているという。
アマンダンアイルの東條真也支配人は「駅から近いところで、自然を感じられる結婚式場がなかった。結婚式場の良さを、福島市のより多くの方にも感じていただきたい」と話す。
バンケット機能として活用することもでき、地元食材を取り入れた料理も好評で、予約などが早速多く寄せられているという。

<福島県は結婚式にお金をかける>
ブライダル業界は、福島県に潜在的な需要あるとみている。
ゼクシィ結婚トレンド調査の、挙式や披露宴などの総額の平均推移を見てみると、感染拡大の影響を受けた2021年を含む直近の3年間は、いずれの年も全国平均を下回っているが、感染拡大前の2020年までの3年間では、いずれも全国平均を上回っていた。さらに2018年と2019年については、福島が全国で最も費用をかける地域だった。

<参列者が多い福島県の結婚式>
費用をかける理由の一つとしてあげられるのが、披露宴などへの招待客数。2021年を含む直近の3年間は、全国平均と同じような水準になっているが、2020年までの3年間では、全国平均を大きく上回っていた。参列者が多い結婚式は、単価が上がる傾向にあるので、結婚費用を押し上げたとみられている。

民間の信用調査会社「東京商工リサーチ」によると、結婚式場の売上と利益は感染拡大による大きな影響を受けたが、その後はV字回復。2023年の利益は、感染拡大前を上回っている。
このトレンドを追い風に、今後も福島県に新しい流れが次々と起こることが期待される。

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