8月13日、盆の入りを迎えたこの日、福島県いわき市の中之作港で14年ぶりに夏祭りが復活した。震災を乗り越え、地域の絆を再確認する機会となった今回の盆踊り大会は、多くの地元住民の期待を集めた。
<14年ぶりの祭りに沸く中之作港>
中之作港で行われている盆踊り大会は、約40年前に始まった地域の行事だ。かつては大漁旗が飾られ、港町特有の活気に満ちていたという。しかし、東日本大震災でやぐらの鉄パイプなどが流され、長らく途絶えていた。
「地域の皆さんも楽しみにしていたお祭りがこうやって復活することはすごく嬉しいです」と語るのは、子どもの頃からこの祭りに参加していたという佐藤春奈さんだ。娘のあかねさんも「みんなが楽しめるように太鼓を叩いて盛り上げたいと思います」と意気込みを語った。
<にぎわう縁日、期待高まる盆踊り>
メインの盆踊りは午後7時からの予定だが、午後4時からは縁日が始まり、すでに多くの人で賑わっている。約10店の飲食店などが出店し、子どもから大人まで笑顔があふれている。
<復活への道のり>
折戸区長の坂本政男さんは、再開までの14年について「コロナや震災の影響がありました」と振り返る。しかし、地域にとって大切な祭りを「なくさないでほしい」という声が多く聞かれたことから、今年5月から復活に向けた準備が進められた。
<未来へつなぐ地域の絆>
坂本区長は今後について「今日はだいぶ賑やかにしていただきましたので、こういうことを継続して、これからも若い世代に引き継いでいきたい」と展望を語った。
震災を乗り越え、14年の時を経て再開されたこの祭り。盆踊りの音色は、一度離れた人々にとってもふるさとの温もりを感じさせる。中之作港の盆踊り大会は、地域の復興と絆を象徴する新たな1ページを刻み始めた。
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