学校再編で誕生・新生「南会津高校」エースの平日練習は先生とマネージャーと《夏の高校野球・福島大会》

7月12日から開幕する、夏の高校野球福島大会の注目校を紹介する。4回目は、学校再編で2023年に誕生した新生・南会津高校。部員不足を乗り越え、初めての“単独チーム”で初勝利を目指す。

<去年は他校との合同チームで>
少子化の影響により、2023年4月に旧田島高校と旧南会津高校が統合し生まれた南会津高校。1年目の2023年は部員が6人だったため、他校との合同チームで大会に出場した。
益子真主将は「そのときの心境としては、単独でいければ出たかったっていうのはありますけど」と振り返る。

<1年生が11人も入部>
マネージャーを除く2024年の部員は、3年生が3人、2年生が0人だったが…1年生が11人も入部し、単独チームで初めて夏を迎えることができた。
渡部彰監督は「3年生が3人と少ないなかで、何とかここまで野球部をなくさずに繋いできてくれた思いと、あと1年生が11人入ってくれた頼もしさというか、その気持ちを大事にしながらこの夏戦っていきたい」と話した。

<平日は3人だけで練習>
3年生でエースの湯田泰寿(ゆだ たいじゅ)投手は、仲間と一緒に練習できる喜びを誰よりも感じていた。
「人が多い分、自分も成長できるので、平日の時よりも土日はより一層力入れてやっている」と話す理由…平日、湯田投手は野球部の部長とマネージャーの3人だけで練習を重ねている。南会津高校から約30キロ離れた南郷校舎には、当時の3年生が引退した2023年7月から野球部の選手が他に一人もいなくなってしまった。

<エースを支える2人>
湯田投手のピッチング練習は、部長の福島健太先生と。「本当に黙々と気分に左右されずに、自分が向上していくために我慢強くやっている選手」と評価する。
そして、バッティングの練習は、マネージャーの齋藤めいさんと。齋藤さんは「1年生のときは先輩たちがたくさんいたが、2年生の夏から1人ということで、よく頑張っているなと思います」という。2人の存在が、湯田投手を支えてきた。
湯田投手は「夏休みとかの練習は、1人でやるとなると気持ちの整理もつかなかったが、ここまで来たらやるしかないと思ったので、もうやってやろうっていう気持ちで毎日取り組んできた」と語る。

<離れていても深まる信頼関係>
土日の週2日程度の本校舎での練習。
湯田投手が他の部員と練習できる時間は限られているが…。キャッチャーの湯田悠誠(ゆだ ゆうせい)選手は「会う回数が少ないですが、試合で受けていると構えたとこに良い球が来るので、南郷校舎での練習がいきているのかな。あんまり心配はない」と話す。
湯田投手も「結構信頼しているので、首はあまり振らないでキャッチャーのサインに従って…たまには振るけど、あまり首をふらないようにしています」と話した。

<単独チームでの初勝利へ>
初戦は7月13日、喜多方桐桜と対戦。“単独チーム”として全力を出し切り、初勝利を目指す。益子真主将は「最初勝ったから終わりとか、最初負けたからとか終わりではなくて、本当に勝ちにこだわって、全員で一球一球しっかりプレーしていきたい」と意気込みを語った。

学校再編から2年。南会津高校野球部の、初めての“夏”が近付いている。

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